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2018年1月4日

中小企業庁 安藤 久佳長官 年頭所感

 

安藤長官顔写真

年頭所感

【始めに】

○平成30年の新春を迎え、謹んでお慶びを申し上げます。

○安倍内閣の発足以降、名目GDPは約45兆円増え、雇用は185万人近く拡大し、企業収益が過去最高水準となり、昨年7月から9月までのGDPは年率換算で実質1.4%増となるなど経済の好循環は着実に回り始めていることがうかがわれます。

○一方で、地域経済は、業種、企業規模、地域によっては、未だ厳しい状況におかれているところがあるのも事実です。また、中小企業・小規模事業者は、少子高齢化に伴う人材不足や大企業との生産性の格差など、構造的とも言える課題にも直面しています。

○中小企業庁としては、こうした懸念を払拭して経済の好循環を確実なものにしていくため、以下の分野に重点を置きつつ効果的な取組を行ってまいります。

【事業承継・再編・統合による新陳代謝の促進】

○第一に日本経済・地域経済を支える中小企業・小規模事業者の円滑な事業承継に向けた集中支援を行います。

○今後10年の間に、70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万人(日本企業全体の1/3)が後継者未定です。

○現状を放置すると、中小企業・小規模事業者廃業の急増により、2025年頃までの10年間累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があります。

○そのため、経営者の早期の気づきの促進から後継者とのマッチング、事業承継、第二創業まで、切れ目のない支援を今後10年集中して実施してまいります。

【生産性革命の実現】

○第二に日本経済の生産性を抜本的に高める生産性革命を牽引するため、中小企業・小規模事業者における設備投資支援、IT活用支援を抜本的に拡大していきます。

○このため、自治体が選択した固定資産税の減免措置に合わせて、「ものづくり・商業・サービス補助金」等の重点支援等を行ってまいります。

○また、生産性向上の鍵となる中小企業・小規模事業者へのIT導入についてはまだ導入が進んでいない層に対して、どのようにIT導入を進めていくかが大きな課題です。

○そのため、生産性向上につながるITツールの見える化を図るとともに、中小企業の身近な支援者である皆様と連携してIT導入を進める体制の構築を図ってまいります。

【働き方改革】

○第三に中小企業・小規模事業者における「働き方改革」実現に向けた対策を行います。

○「働き方改革」は、女性、若者、高齢者等、誰もが生きがいを感じられる「一億総活躍社会」実現の最大の鍵であり、我が国雇用の7割を占める中小企業・小規模事業者において着実に実施することが必要です。

○具体的には「働き方改革」の理解を図り、相談に応じ、支援を行う体制を構築します。また、人手不足感の強い中小企業・小規模事業者において、女性・若者・高齢者等がさらに活躍できるよう、環境整備、マッチング、人材の育成等を支援してまいります。

【最後に】

○最後に、昨年は台風等の自然災害による被害に見舞われた年でした。

○また東日本大震災と熊本地震からの復興も道半ばであります。

○中小企業庁として被災地の方々の気持ちに寄り添いながら被災地の復旧・復興のために必要な措置を講じて参ります。また現場の方々の声を聞きながら被災中小企業・小規模事業者に対する支援の在り方や災害発生前の中小企業・小規模事業者に対する災害対応強化のための支援策などについて検討を進めて参ります。

【結び】

○本年が中小企業・小規模事業者の皆様にとって、大きな飛躍の年となるよう心より祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

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